『拡がる老後格差!ビジネスパーソンのためのマネープラン』
 2007年9月3日、LCA大学院大学(大阪市北区)にて開催中の『ビジネスセミナー』の1講座として、20代〜40代の働き盛りビジネスパーソンに向けてマネー講座を開催しました。
 プレ・チェックでは、ご自身の今後の資産計画を考えたい、金融商品の基礎知識をつけたい、などのご希望が多く、初心者向けの内容でお届けしました。金融商品の説明というよりも、今の日本社会の状況から、今後考えられるリスク(20年、30年先)、社会保障制度の状況、日本の老後の現実などをお話し、今から対策を打つことで、金融資産は大きく異なる考え方をご説明しました。
  シニア向けセミナーの多い当社ですが、今回は20代からの参加者を含め、30代のビジネスマンが中心。月曜日のお仕事帰りに参加され、熱心な姿勢に驚きます。2時間強、休憩ナシで講義が続きましたが、居眠りする方もいなく、大変盛り上がりました。
  「今まで定期預金など以外の金融商品で運用をしたことがある方は?」
 全体の1/4程度の方が、株式や外貨など少し運用経験がおありとのことでした。ほとんどの方は、関心があるものの、まだ1歩踏み出せていない様子が伺えます。
 
 今回のセミナーは3つのパートに分けて説明。ひとつめは「ライフプランと様々な人生のリスク」。老後社会のことは、ずっと先のこと、ではないのです。今の高齢社会を支えるため現役世代の負担もどんどんと上っています。
 まずは、どのような負担や今後のリスクがあるか確認しましょう。
     
 「年金問題」は、退職前の方やすでにもらっている方だけの問題ではありません。自分達にどう関わっているのか、また自分達のときはどうなっているのか。
 新しく導入されたマクロ経済スライド制によりどう15年間で変化があらわれるのか、などを解説しました。
   
 ふたつめは「自分の収支と運用で出る差」について。まずは、会社の運営と同じく、自分自身の棚卸をして見ましょう。
 「家計簿をつけている」もしくは「おおよその収支がわかっている方は?」
  約半分くらいでしょうか。残りの方は、「なんとかなってるかな・・・」 計画を立てるためには、先ず現在の状況と課題を見つめてみないといけません。
   
 こちらも会社と同じく、バランスシートで自分の資産状況のチェックをしてみましょう。参加者の中には、「資産が30万円しかない・・・愕然」という方も・・・。でも、それを認識することが大切です。今からなら十分間に合いますから、少しずつできる資産設計をしていきましょう。
   
 参加者は皆さん若いので、20年、30年の運用計画が可能です。長い目で見たときに、1%の差がどれだけ資産形成に影響を与えるか、様々なデータでご覧頂きました。
 月々小額でもいいので、コツコツ運用することで、20年後、30年後、大きな差になるのです。
   
 ちょっと先の話ですが、リタイア後、貯金の切り崩しも運用しながらとしないのとでは、全く赤字転落時期が異なることを見ていただきました。無理な運用ではなく、3%程度の目標であればそれほど難しくありません。これが後々大きな差となります。老後に不安は一番辛いですからね。
   
 最後に、マネープランと運用の考え方について解説。お決まりのイラストですが、「分散投資」の重要性も解説いたしました。また、講師自身の運用ポートフォリオ、通貨ポートフォリオなど、リアルデータで、解説。といっても、講師もしばらくホッタラカシであったものを、この機会に調整しなくては、と思い至りました。
 しかし、現実的な例でしたので、皆さんの理解度も深まったようです。
   
 資産設計は、お金があるからするものではなく、これからお金を作るためにするもの。だから小さいスタートでいいのです。お給料から千円でも運用にまわすと、それは10年後、20年後に貴重な「資産」となっていきますよ。

 参加者の方々、お疲れ様でした。今月のお給料から少しずつ運用してくださると思っています(笑)。
   
  いつもの高齢者が対象ではないので、逆に戸惑いもありましたが、アンケートを拝見しているととても高い評価をいただき、ほっとしました。また、「今度はもっと具体的な金融商品の解説を希望」という声も多く、さっそく次回の講座内容を企画する予定です。
  今の社会は、様々なリスクが発生しやすい環境です。全てを排除できないですが、転ばぬ先の杖、お金のことだけではなく、ちょっとした智恵や知識をつけておくと、いざというときの対処法も違います。勉強は、大切ですね。
  
  
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